Google マップのストリートビュー機能は道を探すのに便利だが、意図せずプライバシーを侵害する可能性もある。アルゼンチンでは、男性が「全裸の姿をネットに晒された」として、裁判所がGoogle に対し約 12,500 ドル(約 180 万円)の賠償を命じた。
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全裸姿がストリートビューに掲載され、男性が提訴
数年前、アルゼンチンのある警察官が自宅の庭で裸になっていた際に、Google のストリートビューに撮影され、その背中がはっきりと映し出された。この画像は Google マップで公開されただけでなく、地元メディアに取り上げられ、SNS でも拡散された。家の表札や通りの名前も明確に映っていた。
男性は、この出来事が職場や地域社会での恥辱につながり、個人の尊厳が傷つけられたと主張。当初の訴訟は「自宅で裸でいるべきではない」として退けられたが、控訴審で判決が覆り、裁判所は「明らかにプライバシーの侵害である」として、Google に精神的損害への賠償を命じた。
判決によると、男性は当時、高さ2メートル以上の塀の内側にいたにもかかわらず撮影されており、これは「正当な理由のない私的空間への侵入」にあたるとされた。裁判官は Google に対し、「誰も生まれたままの姿を世界中に見せたいとは思わない」と厳しく批判した。
もう一つの視点:ストリートビューは「デジタルな思い出」にも
しかし、すべての人が Google ストリートビューに否定的なわけではない。この機能には思いがけない記録価値がある。
あるアメリカ人のネットユーザーは、2011 年に Google のストリートビューカーが自宅の前を通過した際、母親と親戚が外出準備をしている姿が偶然撮影されたと語る。当時の母親はまだ元気だった。
数年後、母親が亡くなった後、そのストリートビューを見返すと、懐かしい風景や家族の姿がそこにあり、「母がまだこの家を見守ってくれているような気がした」と話す。「顔やナンバープレートはぼかされていたが、家族の記憶は完璧に残っていた」と彼は述べている。
自宅や顔を Google マップでぼかす方法
とはいえ、多くの人にとってプライバシーは重要な問題だ。Google マップのストリートビューでは、自動的に顔やナンバープレート、表札がぼかされるが、完全ではない場合もある。
自分や自宅をストリートビューに鮮明に映したくない場合は、Googleにぼかし処理を申請することができる。手順は以下の通り:
- Googleマップを開き、自宅の場所を表示。
- ストリートビューモードに切り替え、自宅が映っている画像を見つける。
- 左上の「三つの点」メニューをクリック → 「問題を報告」を選択。
- 新しいページで赤い枠を調整し、ぼかしたい部分に合わせる。
- 「自宅の場所」を選び、理由とぼかしたい内容(住居、表札、車のナンバー、顔など)を記入。
- 連絡先情報を記入して申請を送信。
注意:一度ぼかされると元に戻せず、Google は正当な理由の有無を審査する。特に一戸建てや安全上の理由がある場合、承認されやすい。
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