予想通り、Apple は Vision Pro の発売から約 2 年を経て、初のマイナーチェンジ版となる「M5 Apple Vision Pro」を発表しました。
M5 チップの採用により性能が向上し、バッテリー持続時間も延びています。また、新たに設計された「ダブルループ織り込みヘッドバンド」が導入され、装着感も改善されています。ただし、価格は依然として高額であり、10/22 に発売予定です。
M5 Apple Vision Pro のアップグレード要点
今回のマイナーチェンジでは、主に M5 チップの導入が中心であるため、本記事では便宜上「M5 Apple Vision Pro」と呼称いたします。
外観は前モデルと同様に、アルミニウムとガラスを使用した「ゴーグル型」デザインを維持しています。筐体は一体成型の三次元アルミニウム構造で、ヘッドセット全体の骨組みとカメラモジュールを支えています。前面には曲面ラミネート加工されたガラスパネルが配置され、アルミフレームに組み込まれています。
M5 チップによる性能向上と AI 強化
M5 チップは TSMC の第 3 世代 3nm プロセスで製造されており、10 コア CPU、10 コア GPU、16 コア NPU を搭載しています。メモリ帯域幅も M2 チップの 100GB/s から 153GB/s に強化され、アプリやウィジェットの読み込み、ブラウジングの応答速度、ゲームの光と影のディテールなど、あらゆる場面でより滑らかな MR(複合現実)体験を提供します。
新しい 16 コアのニューラルエンジンは性能が 50% 向上し、Apple Intelligence やその他 AI 関連タスクの実行速度も大幅に向上しています。より快適でスムーズなユーザー体験が可能になりました。
また、M5 チップの導入により、micro-OLED ディスプレイでのピクセル描画数が前モデル比で 10% 向上し、映像がより鮮明かつ精細に表示されます。さらに、リフレッシュレートが最大 120Hz に強化されたことで、ユーザーが周囲を見回した際のモーションブラーも軽減されました。
バッテリーの持続時間も改善されており、外付けバッテリーによる通常使用で最長 2.5 時間、動画再生で最大 3 時間の使用が可能です。また、長時間の有線使用にも対応しています。
快適性向上:新設計のダブルループ編み込みヘッドバンド
旧モデルで多くのユーザーが不満を抱えていた装着時の「快適性」に対し、Apple は「ダブルループ織り込みヘッドバンド」を新たに導入しました。このバンドは S・M・L の 3 サイズが用意され、前モデルの Vision Pro とも互換性があります。
上下のストラップには 3D 編み込み加工による一体成型技術が用いられており、独自の二重肋骨構造がクッション性、通気性、伸縮性を提供します。下部のストラップには布地補強材が内蔵され、さらにタングステン合金製の可調整プレートが埋め込まれており、重量バランスと安定性を高めています。
側面には二重のマイクロアジャストノブが設けられており、頭の形や締め具合に応じて微調整が可能です。自分に最もフィットする装着感を得ることができます。
M5 Apple Vision Pro の価格と今後の展望
M5 Apple Vision Pro の価格は据え置きで、599,800 円からとなっています。容量は 256GB、512GB、1TB の 3 種類が提供されており、日本での発売日は 10/22 です。
また、Bloomberg の最近の報道によると、Apple は Vision Pro の次期モデル開発(通称 Vision Pro 2 や Vision Air)を全面的に停止したとされています。これにより、今後の開発リソースは「スマートグラス」に集中されるとのことです。
業界では、今回の M5 Apple Vision Pro を「在庫消化」や「製品寿命延長」のための「移行期モデル」と見なす声も多く、これが Vision Pro シリーズ最後の製品になる可能性もあると考えられています。
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