今年発売された iPhone 17 Pro では、背面のトリプルカメラがついに全て 4,800 万画素へとアップグレードされました。そして今、Apple は次なる進化として「可変絞り(バリアブルアパーチャ)」技術の導入に注力しているようです。韓国メディアの最新報道によれば、来年登場予定のiPhone 18 Pro では、主カメラに可変絞り機構を取り入れ、暗所撮影性能をさらに向上させるとともに、ポートレートモードでの背景ボケ(被写界深度)のコントロールが強化される見込みです。
iPhone 18 Pro、主カメラに「可変絞り」導入の噂
韓国メディア ETNews の報道によると、Apple は次世代 iPhone、つまり iPhone 18 Pro および iPhone 18 Pro Max の主カメラに「可変絞り」技術を積極的に導入しようとしているとのことです。
報道によれば、iPhone 18 Pro の主カメラモジュールは LG Innotekと Foxconn(鴻海)が製造を担当し、絞りを制御するための駆動部品は中国の Luxshare ICT(立訊精密)および Sunny Optical(舜宇光学)が供給する予定です。
「可変絞り」とは?
絞り(アパーチャ)は、カメラが取り込む光の量を制御する機構で、人間の目でいえば「瞳孔」にあたります。絞りの大きさは「f 値」で表され、数値が小さいほど開口部が大きく、光を多く取り込むことができます。
- f 値が小さい → 絞りが大きく開く → 多くの光を取り込む → 背景がボケやすい(浅い被写界深度)
- f 値が大きい → 絞りが狭くなる → 光の取り込みが少なくなる → 前後がはっきり写る(深い被写界深度)
「可変絞り」とは、撮影シーンに応じて絞りのサイズを自動的または手動で切り替えられる機能です。これにより、光の量を精密にコントロールできるだけでなく、背景ボケの効果もより自然でプロフェッショナルな印象を与えることが可能になります。
可変絞りの利点
- 光の量を正確に調整でき、シャッタースピードや露出設定と組み合わせて、より多彩な撮影表現が可能になる。
- 大きく開けた絞りで主被写体を際立たせ、背景をぼかす「浅い被写界深度」の演出や、小さな絞りで全体をくっきり写す「深い被写界深度」の表現も自由自在。
- レンズにとって最も高画質な「最適絞り」で撮影できるため、解像感やディテールの向上、周辺光量落ちや色収差の軽減も期待できる。
可変絞りの課題
可変絞りを実現するには、複数の羽根で構成されたメカニカルな構造が必要であり、これをモーターで駆動するため、固定絞りよりも複雑です。その結果、カメラモジュールの厚みとサイズが増し、スマートフォンの薄型化と相反する設計上の課題となります。
また、構造の複雑化により製造コストが上昇し、組立難度も高くなります。さらに、可動部品がある以上、摩耗や故障のリスクも避けられません。
加えて、スマホサイズの制限から、選べる絞り値の段階は限られ、デジタル一眼のようにf/1.4〜f/22まで幅広く調整できるわけではないため、表現の自由度には制限があります。
プロ仕様を目指す Apple の狙い
これまでにも多くのスマートフォンメーカーが可変絞りを試みてきましたが、Apple が Pro シリーズに本格導入するとなれば、単なるハードウェアだけでなく、A シリーズチップの画像処理能力や AI アルゴリズムと連携した「トータル設計力」が試されます。
Apple がこの新技術をいかに活かし、独自のカメラ体験として昇華させるのか、非常に注目されています。
もちろん、iPhone 18 の正式発表はまだ先であり、現在の情報はあくまで初期段階の噂に過ぎません。例年通りであれば、具体的な設計や部品の詳細は来年7〜8月頃に明らかになるでしょう。その時こそ、Apple のカメラ戦略の全貌が見えてくるはずです。
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