アメリカの大統領は最近、アップルのティム・クックCEOに対し、「アメリカで販売する iPhone を米国内で製造しない場合、25% の関税を課す」と警告しました。これに対してアナリストたちは、たとえ 25% の関税が課せられたとしても、インドや中国で製造を続けた方が、アメリカ国内に生産拠点を移すよりも利益が大きいと分析しています。
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海外生産の iPhone、重い関税を課されても依然として高利益
試算によれば、輸入される iPhone に対して 25% の関税を課された場合でも、アップルは米国内で生産するより高い利益を得られると見られています。アナリストによると、グローバルなサプライチェーンの効率の良さにより、海外での製造コストは米国より大幅に低く、関税を加味しても全体のコストはまだ抑えられており、高い利益率が維持されるとのことです。
では、実際に海外生産の iPhone がどれほど利益を生み出しているのか?関税をかけられても本当に得なのか?具体的に見ていきましょう。
ケース1:中国またはインドでの製造を維持し、25%の関税を支払う場合
仮に1台のiPhoneの製造コストが500ドル、組み立て費用が75ドル、さらに輸送費と保険で20ドルが加わるとします。この場合、通関価格は595ドルとなり、25%の関税を課されると税額は:
595 × 25% = 約150ドル
これを踏まえると、1台あたりの総コストは:
595(製造・組立・輸送)+ 150(関税)= 790ドル
iPhone の平均小売価格が 1,100 ドルと仮定すると、1台あたりの粗利益は:
1,100 - 790 = 310ドル
ケース2:iPhone をアメリカ国内で生産する場合
アナリストの推計では、iPhoneの生産を米国に戻すと、全体コストは90%~200%増加するとされています。
部品コスト:500ドル
組立コスト:200ドル(米国内では人件費や設備コストが高いため)
さらに、アメリカでの工場設立・維持・人材育成などの費用として追加で200ドルかかると仮定すると、1台あたりの総コストは:
700(部品+組立+基本設備)+ 200(工場運営費など)= 900ドル
同様に小売価格を1,100ドルとすると、粗利益は:
1,100 - 900 = 200ドル
結論:アメリカでの生産は1台あたり110ドルの利益減
まとめると:
- 海外生産の場合の利益:310ドル
- アメリカ生産の場合の利益:200ドル
したがって、たとえ海外生産に 25% の関税がかけられたとしても、アップルは依然として十分な利益を確保でき、米国内で生産するよりも高収益となります。さらに、アップルは関税を理由に販売価格を少し引き上げることで、その分の利益減少をある程度補う可能性もあります。
現在、iPhone の生産は主に中国とインドに集中しています。最終的にアップルが、米国で販売する iPhone を本当にアメリカ国内で製造する決断を下すのか、今後の動向に注目です。
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