最近のテック業界で話題となったニュースのひとつは、ChatGPT の開発元である OpenAI が、元Apple の伝説的デザイナー Jony Ive 氏が共同設立したスタートアップ企業「io」を65億ドルで買収した という発表です。この買収は OpenAI 史上最大規模の M&A であり、AI ソフトウェアに強みを持つOpenAI が、ついにハードウェア分野に進出する意思を示す象徴的な一歩でもあります。
複数の情報筋によると、OpenAI と io が共同で開発しているのは音声操作でさまざまな作業をサポートするウェアラブル AI デバイス。2026 年に初公開、2027 年に量産開始予定とされています。
更に面白いコンテンツを観たい人は、Instagram @applealmondjp をフォローしてください!
元 Apple デザイナーが設立した io とは?
まず「io」は、2024年に Jony Ive 氏が Evans Hankey 氏、Tang Tan 氏、Scott Cannon 氏など、かつてAppleで設計・開発に関わっていたメンバーと共に設立したAIハードウェアスタートアップです。
設立当初から OpenAIは io の株式23%を保有 しており、実は2年前から両者は密接に協業してきました。OpenAIのCEO サム・アルトマン氏は、「単なるハードウェア開発ではなく、“人とコンピューターの関係を再構築する”ことが目標だ」と述べています。AI中心の自然なインターフェースを追求する革新的なデバイス の開発が進められているのです。
「スマホの延長線ではない」、Jony Ive が語る未来の AI デバイス
Jony Ive 氏自身も「これはスマートフォンの延長線にある製品ではなく、スマホを置き換えるものでもない」と強調しています。代わりに、「ほとんど見えないが、常にそばにいてユーザーを支える存在」を目指した全く新しい形のスマートデバイスとのことです。
今回の買収により、ioに所属する約55名の社員はOpenAIの新設ハードウェア部門に移籍し、OpenAIのプロダクト担当VP ピーター・ウェリンダー氏がその部門を率いる予定です。一方、Jony Ive 氏自身はOpenAIの社員にはならず、彼のデザイン会社「LoveFrom」 が引き続き独立した立場で、ハード・ソフト両面のデザインを主導します。
Apple 株に影響も?Google I/O にぶつけた買収発表
なお、OpenAI がこの買収を発表したタイミングは、偶然にも Google I/O カンファレンスと重なっており、「Google の注目を分散させる狙いがあったのでは?」という声も聞かれています。さらに、この発表後すぐに Apple の株価が2%以上下落 しており、市場では「Apple の AI 開発が遅れていることへの不安感」の表れとも捉えられています。Apple Intelligence はいまだに一部機能が未実装のままだからです。
初の AI デバイスは「iPod Shuffle」風?2026 年公開予定
現時点でデバイスの詳細仕様は公表されていませんが、業界内では以下のような形になると予想されています:
- iPod Shuffle に似たコンパクトなデザイン(AI Pin や Rabbit R1 のようなイメージ)
- 画面を搭載せず、音声操作をメインに設計
- リアルタイム翻訳、検索、アシスタント機能などに対応
- カメラとマイクを内蔵し、周囲の認識・理解が可能
- スマートフォンや PC と連携して使用する設計になる可能性も
失敗した「AI Pin」の再来ではない?期待が集まる新プロジェクト
このような音声中心の AI デバイスと聞くと、かつて失敗に終わった Humane 社の「AI Pin」 を思い出す人も多いかもしれません。しかし、今回は Jony Ive 氏が外観を手がけ、OpenAI が中身(AI)を開発するという「デザイン×テクノロジー」の最強タッグ。機能性とユーザー体験の両立を目指したデバイスとして、大きな期待が寄せられています。果たして彼らはどんな未来を切り開いてくれるのでしょうか。
更に面白いコンテンツを観たい人は、Instagram @applealmondjp をフォローしてください!
もっと読む
Google の Android XR スマートグラスが注目される理由とは?ポイントわかりやすく解説
Claude 4 シリーズが正式発表!Opus 4・Sonnet 4 が AI エージェントの性能を大幅強化
iPhone 7 Plus・iPhone 8 が「ビンテージ製品」入り!iPad Air 2 と iPad mini 2 は「オブソリート製品」に