発表会の熱狂が過ぎ去り、「冷静な分析」という記事も書いた後、私はずっと海外メディアによる実機テストの公開を待っていました。自分の予想がどれだけ正しかったかを確認したかったからです。ここ数日で MacRumors の編集者が AirPods Pro 3 を実際に使用したレビュー記事を公開しましたので、私も自分の書いた記事と照らし合わせて振り返ってみました。
その結果、いくつかの点では予想がやや保守的すぎたと感じました。また、細かい部分では「この世代を待ったのは正解だった」と確信できる要素もありました。
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記憶泡のイヤーチップと新サイズの追加で、装着体験が大幅に進化

今回のイヤーチップは新素材を採用しており、記憶泡(メモリーフォーム)の芯にシリコンコーティングを施した構造です。さらに、新たに XXS サイズが加わり、全体で5種類の選択肢となりました。MacRumors の編集者による実際の体験では、この新しい設計によって密着性と安定性が大幅に改善され、ノイズキャンセリングや音質にも良い影響を与えているとのことです。
体感としては、想像以上に違いがはっきりしているそうです。これまで AirPods Pro を使っていて「フィットしにくい」「長時間装着すると耳が痛い」と感じていた方にとっては、この世代での体験は大きく変わる可能性があります。新しいイヤーチップが装着時の快適さと使用時の安定性に与える影響は、一般ユーザーにとって最もわかりやすいアップグレードのひとつだと思います。
ただし、もし AirPods Pro 2 をすでに快適に装着できていると感じている方にとっては、その違いは「絶対にアップグレードすべき」というほどではないかもしれません。
心拍センサーの統合と iPhone 健康システムとの連携は、敷居が低く実用的

AirPods Pro 3 には新たに心拍センサーが搭載されており、Apple Watch を持っていないユーザーでも簡単な健康トラッキングが可能になりました。実際のテストでは、MacRumors の編集者が Apple Park で階段を上る際に心拍数が iPhone のロック画面にリアルタイムで表示され、Fitness アプリと組み合わせることで歩数や活動時間などの情報も記録できたそうです。
心拍の測定はもともと Apple Watch の基本機能ですが、イヤホンだけでこの情報が得られるようになったことで、健康データの記録に対する敷居が確実に下がったと言えます。以前はこの機能を「プラスアルファ」と考えていましたが、実際の統合度や即時表示の完成度は予想以上に高く、腕時計を付ける習慣がない方にとっては意外と実用的だと感じました。
音質の改善により、低音の迫力と全体のバランスが向上
AirPods Pro 3 は新しいチップを採用しておらず、引き続き H2 チップが搭載されています。しかし、MacRumors の編集者は音質が全体的に向上していると述べており、特に低音がよりしっかりと力強くなり、高音のクリアさも保たれており、音全体がよりバランスよく、広がりのある印象になっているとのことです。
このような音質の違いは、チップの性能によるものではなく、より良いイヤーチップによる密閉性の向上と音響的な調整の結果です。リズム感や音のディテールを重視する方にとっては、体感できる価値のあるアップグレードだと思います。
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードは、わずかに改善されています
Apple によると、AirPods Pro 3 のアクティブノイズキャンセリング(ANC)の効果は前世代の2倍とのことです。MacRumors の編集者も、屋外や騒がしい場所での遮音効果がよりクリアになったと感じています。しかし、特に大きく改善されたのは外音取り込みモード(Transparency Mode)で、自分の声をより自然に聞くことができるようになり、以前のような機械的な違和感が減ったとのことです。
この点については、私のこれまでの見解とも一致しており、「細かい改善」ではありますが、「劇的に驚く」ほどではないと思います。すでに Pro 2 に満足している方にとっては買い替えの決定打にはなりませんが、AirPods Pro シリーズを初めて使う方にとっては、好印象を与える要素になるでしょう。
充電ケースのタッチ操作と U2 チップにより、より直感的に使えます

新しい充電ケースには、前面に静電容量式のタッチボタンが搭載され、また U2 チップが内蔵されたことで、「探す」機能がより広範囲かつ高速になりました。ケース自体は少し大きくなったものの、軽量化されており、全体としての使用感が向上しています。
この変更は、イヤホンをよく紛失する方や、複数のデバイスと頻繁にペアリングする方にとって特に便利だと思います。ただし、そうでない一般ユーザーにとっては「便利ではあるが、本体の価値に大きく影響しない小さな改善」にとどまるかもしれません。
リアルタイム翻訳機能は Pro 3 限定ではなく、Pro 2 でも使えます

発表会で注目されたリアルタイム翻訳(Live Translation)機能ですが、この機能は AirPods Pro 3 専用というわけではありません。MacRumors の編集者が Apple のスタッフとの会話で確認したところ、Apple Intelligence に対応する iPhone(例:iPhone 15 Pro)と組み合わせれば、USB-C バージョンの AirPods Pro 2 でも利用可能であることがわかりました。
Apple の公式サイトでも、当初からこの点は明記されていましたので、今回の実測結果とも一致しています。確かに話題性のある機能ではありますが、これだけのために買い替える理由にはなりません。すでに Pro 2(USB-C)をお持ちの方にとっては、新型にする必要は特にないと思います。
まとめ:変化の中心は「装着感」と「使用の便利さ」にあります
全体として、AirPods Pro 3 の進化は「装着者の体感」を重視した調整であり、スペックや機能だけに依存した進化ではありません。小さな改善の積み重ねによって、実際のユーザー体験が明確に向上しています。特に装着感・安定性・健康機能・翻訳機能など、使うたびに実感できるような進歩が見られます。
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