最近、周りの友人たちが Gemini を使い始めています。画像生成から旅行プラン作成、メモ整理、プロジェクトの執筆まで、とても便利ですよね。
しかし多くの人が知らないのは、実は Google が Gemini に「カスタムアシスタント」機能を用意しており、その名前が Gem(ジェム) だということです。
その概念は OpenAI の GPTs ととてもよく似ています。
ルールを設定したり、役割を決めたり、資料をアップロードしたり、毎回必ず使うプロンプトを事前に登録しておけば、新しいチャットを開くたびに入力し直す必要がありません。この記事では「Gem はどう使うのか?何ができるのか?どう設定すると良いのか?」を一つずつ解説していきます。
Gem = 自分で作る“小さな Gemini” のようなものです。
以下のような設定を行うことができ、さらに応用も可能です:
設定を終えると、あなた専用の「入口(専用チャット)」が作られ、その Gem を開くだけで、毎回指定したルールどおりに応答してくれます。いちいち指示を書き直す必要はありません。
現在 Gem 機能は Gemini の Web 版・スマホアプリ版どちらでも利用できます。Gemini を開くと、左側に 「Gem を表示」 という項目が表示されます。
Gem の画面に入ると、Google が用意したサンプル Gem があり、その下に自分で作った Gem が並びます。
「Gem を作成」を押すと、4つのメイン項目が表示されます。
ただの名称です。この Gem を識別しやすくするためのものです。
Gem を開いたとき最初に表示される説明文です。
この Gem が何をできるのか、どう使うのかをユーザー(あなた自身や共有先の人)に伝えます。
ここが最重要。Gem の“性格”と“動き方”を決める部分です。
さらに役割を設定することもできます。
例えば、食品のカロリー分析用 Gem を作るなら:
あなたは専門の栄養士です。シンプルでわかりやすい言葉で、アップロードした写真の食事内容を分析し、栄養成分とアドバイスを提示してください。
このように書いておけば、毎回身分設定を入力する必要がなく、Gem が自動でその役割を果たしてくれます。
ここでは、写真をアップロードして実際の反応をテストできます。
設定どおりに返答してくれるか確認する段階です。
先ほどの栄養分析の例では、プレビューで写真をアップロードするだけで、何も言わなくても自動で栄養成分を分析してくれます。
Gem を使わない場合、新しいチャットを開くたびに同じ指示を入力する必要があり、時間が無駄になります。
プレビュー内容が問題なければ保存し、以後はメニューからすぐに開けます。他の人と共有することもでき、そのままあなたが設定したルールを使ってもらえます。
AI を仕事でよく使う人には、Gem(または GPTs)は多くの場面で役立ちます。
たとえば、前述の「写真をアップロードするだけで栄養分析」がその一例です。
私は GPTs でも似た使い方をしています。毎週 4 つのファイルを統合する必要があるため、GPTs に 9 ステップの長い指示をあらかじめ登録しています。これを毎回入力するのは非常に面倒です。
しかし GPTs に設定しておけば、ファイルをアップロードするだけで必要なレポートが生成されます。このワークフローは半年以上使っていますが、本当に時間の節約になります。
また、旅行プランを作る専用 Gem を作って、
「場所・日数・希望(買い物なし、ゆったり、予算、必要な持ち物リスト…)」
を入力すれば自動で旅程を作ってくれるツールにすることもできます。
設定後は「イギリス・14 日間・12 月」などと入力するだけで詳細プランが完成します。
また仕事上で翻訳ルールが厳密に決まっているケース:
例えば「Support は必ず“サービスサポート”と訳す。“サポート”だけは不可」など――
こういった固有ルールも Gem / GPTs に固定化すると非常に便利です。
結論として、Gem はとてもシンプルな発想で、
“毎回繰り返している指示・慣れた口調・よく使う資料を、まとめて事前登録する”
というものです。
一度設定すれば、専用ツール箱のように開くだけで使え、AI に毎回説明し直す必要はありません。
文章作成、メモ整理、資料整理、スライド作成、画像分析など、ルールをしっかり書いておけば、Gem はあなたの仕事を肩代わりしてくれる本当のアシスタントになります。
Gem を活用すれば、Gemini の能力は単なるチャットや画像生成にとどまらず、あなた専用の“小さな AI”をいくつも作り、日常の作業フローに深く溶け込ませることができます。
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