
AirPods Pro 3 と AirPods Pro 2 はどちらもアクティブノイズキャンセリングを搭載しており、Apple Intelligence 時代の新機能であるリアルタイム翻訳にも対応しています。では、実際に購入する際、2 世代の間にどのような違いがあり、どちらを選ぶべきなのでしょうか?
今回は、AirPods Pro 3 と AirPods Pro 2 の違いを整理し、自分に合ったモデルの選び方をまとめて紹介します。
前回の記事「AirPods Pro 3 と AirPods 4 の比較」と同様に、まず私自身の結論からお伝えします。
AirPods Pro を長く使いたい人、または心拍測定をしたいが Apple Watch を持っていない人は AirPods Pro 3 を選ぶべき。
新製品が出るたびに買い替えるタイプの人は AirPods Pro 2 が最適。
AirPods Pro 3 と AirPods Pro 2 の違いまとめ
まず、スペックを簡潔に比較すると以下の通りです。
| 項目 | AirPods Pro 2 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|
| イヤーチップ | インイヤー | インイヤー |
| チップ種類 | 4 サイズ | 5 サイズ |
| ノイズキャンセリング | 初代の2倍 | 初代の4倍 |
| 心拍測定 | なし | あり |
| リアルタイム翻訳 | あり | あり |
| 通透明モード | あり | あり |
| 適応型オーディオ | あり | あり |
| 会話感知 | あり | あり |
| 空間オーディオ | あり | あり |
| 大音量低減 | あり | あり |
| 会話強調 | あり | あり |
| イヤホンチップ | H2 | H2 |
| 充電ケースチップ | U1 | U2 |
| 操作 | つまむ+スワイプ | つまむ+スワイプ |
| 音量調整 | 柄部分を上下スワイプ | 同左 |
| 装着センサー | 皮膚検出 | 皮膚検出 |
| 探す機能 | あり | あり |
| 精密探す | あり | あり |
| 防塵・防水 | IP54 | IP57 |
| 充電 | USB-C / MagSafe / Apple Watch充電 / Qi | 同じ |
| 連続再生 | 約6時間(ケース30時間) | 約8時間(ケース24時間) |
この表から分かるように、両モデルに大きな差はありません。異なるポイントは主にバッテリー、イヤーチップ、防水性能、心拍測定の4つです。それ以外はほぼ同じと言ってよいでしょう。
ここからは、実際の使用感に関わるポイントを詳しく解説します。
デザインと装着感:イヤーチップの違いは意外と大きい
AirPods Pro 2 と 3 はどちらもカナル型イヤホンです。インイヤー型が苦手な人は、どちらを選んでも違和感があるため、むしろ AirPods 4 を検討するべきでしょう。
主な違いは以下の通りです。
AirPods Pro 2
柔らかい素材のイヤーチップで、「長時間着けていても存在を忘れる」という人が多い。
AirPods Pro 3
内部にフォーム素材を含んだ“ハイブリッドイヤーチップ”に変更。
密閉性が高く、心拍測定・ノイズキャンセリングの精度向上にも寄与。
ただし、そのぶん Pro 2 より「存在感」があり、異物感を感じやすい場合も。私は1か月使用しましたが、Pro 2 と比べて「装着している感覚が0」とまでは言えません。
サイズも XXS まで増え、より多くの人の耳にフィットしやすくなりました。
さらに、AirPods Pro 3 は柄の部分が少し突出しており、衣服の着脱や激しい動きで引っかかりやすいという声もあります。
音質:並べて聴くと違いはあるが、大差ではない
音質面は両方とも H2 チップを搭載しており、どちらも十分高品質です。
違いは主にイヤーチップの密閉性とチューニングの差です。
- AirPods Pro 2:中高音が綺麗だが、低音は控えめ
- AirPods Pro 3:密閉性向上により、低音が力強く、細部がより明瞭
日常使いで音質にこだわらない人なら Pro 2 で十分。低音や全体の厚み、音の階層を重視する人には Pro 3 が向いています。
心拍測定:Pro 3 最大の特徴
心拍測定ができるのは AirPods Pro 3 のみ。運動中の心拍記録が可能で、そのままヘルスケアアプリへ保存できます。
すでに Apple Watch を持っている人は、この機能のためだけに Pro 3 を選ぶ必要はありません。心拍測定に興味がない場合も同様です。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
Appleによると、
- Pro 2:初代の2倍
- Pro 3:初代の4倍
体感を例えると…
- Pro 2:通勤・カフェ・電車ならほぼ十分
- Pro 3:工事現場、飛行機、イベント会場などの騒音下で明らかに効果が強い
静けさを重視する人は Pro 3 の恩恵が大きいですが、一般的な環境で使うだけなら Pro 2 で問題ありません。
操作方法
操作はほぼ同じで、どちらも
- つまんで再生/停止/ANC切替
- 柄部分をスワイプして音量調整
の操作体系を採用。
Pro 2 から Pro 3 への乗り換えでも違和感なく扱えます。

連続再生時間と充電
- Pro 3:8時間(ケース込 24時間)
- Pro 2:6時間(ケース込 30時間)
Pro 3 は 1回あたりの使用時間が長い
Pro 2 は トータルバッテリーが長い
どちらも充電方法は同じです。
- USB-C
- MagSafe
- Apple Watch 充電器
- Qi ワイヤレス
精密探す:Pro 3 のほうが探索範囲が広い
充電ケースのチップが
- Pro 2 → U1
- Pro 3 → U2
のため、Pro 3 の方が「探す」機能の探索範囲が広く、紛失時に見つけやすいというメリットがあります。

どちらを買うべき?まとめ
AirPods Pro 3 を選ぶべき人
- 1つのイヤホンを長く使いたい
- ノイズキャンセリング・音質を少しでも良くしたい
- Apple Watch を持っていないが心拍測定をしたい
- 騒音の多い場所(飛行機、オフィス、長距離通勤など)で使う
- 全体としてより完成度の高い体験を求める
AirPods Pro 2 を選ぶべき人
- すでに Pro 2 を持っていて満足している
- 新製品が出ると買い換えるタイプ
- 使用環境が室内・市街地など普通の場所が中心
- 予算を重視したい(セール価格などを狙いたい)
つまり、Pro 3 は確かに優れているが、ほとんどの人にとって「絶対に乗り換えるべき」ほどではないと言えます。
長く使いたい、心拍測定が欲しいという人は Pro 3。買い替え頻度が高い人、費用を抑えたい人は Pro 2 が向いています。
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