M3 Ultra の CPU ベンチマーク結果が公開:旧アーキテクチャを踏襲、CPU 性能は M4 Max と大差なし

M3 Ultra の CPU ベンチマーク結果が公開:旧アーキテクチャを踏襲、CPU 性能は M4 Max と大差なし

先日夜、Apple はプレスリリースを通じて、M シリーズ史上最も強力なチップ「M3 Ultra」を正式発表しました。このチップは非常に高性能で、Apple は 「M3 Ultra は、デバイス上で 6000 億パラメータを超える大規模言語モデル(LLM)を実行できる」 と公言しています。これにより、多くのユーザーが M3 Ultra の実力に関心を寄せています。

最近、ネット上で M3 Ultra の Geekbench CPU ベンチマークスコアが流出しました。しかし、M3 Ultra は M3 アーキテクチャをベースにしているため、Mシリーズ最強のチップであるものの、 CPU のスコアに関しては M4 Max と大きな差がない ことが分かりました。

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M3 Ultra と M4 Max のスペック比較

まずは、M3 Ultra と M4 Max の主な仕様をおさらいしましょう。

項目 M3 Ultra M4 Max
アーキテクチャ M3 & A17 Pro ベース M4 & A18 ベース
製造プロセス TSMC 3nm TSMC N3E(第2世代 3nm)
CPU コア数 最大 32 コア(24 高性能 + 8 高効率) 最大 16 コア(12 高性能 + 4 高効率)
GPU コア数 最大 80 コア 最大 40 コア
NPU(Neural Engine)コア数 32 コア 16 コア
メモリ帯域幅 819GB/s 546GB/s
メディアエンジン H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW
デコードエンジン ×2
エンコードエンジン ×4
ProRes エンコード & デコードエンジン ×4
AV1 デコーダー
H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW
デコードエンジン ×1
エンコードエンジン ×2
ProRes エンコード & デコードエンジン ×2
AV1 デコーダー
その他の特徴 ハードウェアレイトレーシング
メッシュシェーディング
ダイナミックキャッシュ
ハードウェアレイトレーシング
メッシュシェーディング
ダイナミックキャッシュ

Mac M4 Max M3 Ultra 跑分成績

M3 Ultra の CPU 性能は M4 Max と大差なし?

ネット上で流出した M3 Ultra の Geekbench CPU ベンチマーク結果を見ると、 32 コアの M3 Ultra と 16 コアの M4 Max のスコアに大きな差はない ことがわかります。

モデル M3 Ultra(32コア) M4 Max(16コア)
シングルコアスコア 3,221 点 3,897 点
マルチコアスコア 27,749 点 25,740 点

この結果は意外ではありません。Apple は M4 チップで CPU のマイクロアーキテクチャを改良し、クロック周波数を向上させ、内部の実行ユニットを最大限に活用できるように最適化 しています。そのため、M3 に比べて M4 の CPU 性能は明らかに向上しています。

昨年、M4 Pro と M4 Max が登場した際、多くのレビューで 「M4 Pro の CPU 性能はほぼ M3 Max と同等」 であることが指摘されました。そのため、M3 Ultra は 2 つの M3 Max を UltraFusion テクノロジーで接続したもの であり、本質的には M3 シリーズの延長に過ぎません。

Mac M4 Max M3 Ultra 跑分成績

その結果、シングルコア性能は M4 Max のほうが上 で、マルチコアスコアが高いのは単にコア数が増えたためです。

Mac M4 Max M3 Ultra 跑分成績

GPU 性能は?M3 Ultra の 80 コア GPU は M4 Max を大きく上回る可能性

現在のところ、M3 Ultra の GPU ベンチマークスコアは公表されていません。しかし、M4 の GPU アーキテクチャは M3 から大きく変わっておらず、主に クロック周波数の向上 による改善が中心です。そのため、80 コア GPU を搭載する M3 Ultra は、 40 コア GPU の M4 Max よりも明らかに高性能 であると考えられます。

M3 Ultra の AI 性能:6000 億パラメータの LLM をデバイス上で実行可能?

Apple は、M3 Ultra の統一メモリ帯域幅が 819GB/s、最大 512GB の統一メモリ を搭載可能であることを強調しています。これにより、 デバイス上で 6000 億パラメータ(600B)の LLM(大規模言語モデル)を直接動作させることができる と発表しました。

以前、中国のテック系 YouTube チャンネル「極客湾(Geek Bay)」では、 M4 Max や M3 Max が 72B パラメータの言語モデルをデバイス上で実行できる ことを検証しました。

今回、Apple は M3 Ultra により 600B パラメータの LLM を動作可能と発表しましたが、これは GPT-4 Turbo や DeepSeek-V3 の規模に匹敵する レベルです。

この性能が実際の AI モデル運用でどのように発揮されるのか、M3 Ultra の実機が出荷された後、各種ベンチマークテストの結果に注目したいところです。

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