最近、X であるユーザーが投稿した内容が話題になりました。その内容とは:
「ChatGPTに“お願いします”や“ありがとう”といった丁寧な言葉を使うと、OpenAIにはどれだけ余分なコストがかかるのか?」
この質問に対し、OpenAI の CEO サム・アルトマンがなんと自ら返信し、「数百万ドルかかる」と答えたのです。
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一見、礼儀正しい行動がコストに関係するなんて、誰も考えたことがなかったかもしれません。この投稿に対してネットでは、
と、賛否が分かれる反応が見られました。
では、実際のところどうするのが正解なのでしょうか?ChatGPT やその他の AI ツールを使っている人は、ぜひ一度確認しておくと良いでしょう。
無料版を利用している人にとっては、「礼儀正しいかどうか」でOpenAIにかかるコストを気にする必要はありません。なぜなら、無料版には明確な使用上限(トークン数)が設けられており、その中にすでにコストは計算されています。つまり、「丁寧に言うかどうか」が影響するのは、あなたが残りどれだけ使えるかという点だけです。
有料ユーザーの場合も基本的に同じです。ただ、支払いをしている分、使用できるトークンの上限が増えているだけで、その中で使い切らない人も多いです。
その理由は、トークンの計算と生成ロジックにあります。
私たちは文章を「文字の連なり」として読んでいますが、AI は文章を「トークン」という単位に変換して処理します。1トークン=1文字ではなく、単語の一部やフレーズの場合もあります。
ChatGPT は質問に対して「答えを知っている」わけではなく、文脈や学習データを元に「次のトークンは何か?」を予測することで一文字ずつ回答を組み立てていきます。
ChatGPT の最終的な答えが「ご飯」となっていたとしても、その裏では「ラーメン」「うどん」「焼肉」「カレー」など、さまざまな候補を内部で瞬時に予測・計算しています。
この予測作業こそがコストであり、コンピューターリソース(≒お金)を消費しています。
たとえば「○○してください」と話しかけた場合、ChatGPTはその文脈から「こちらこそありがとうございます」などと返そうとします。
つまり、あなたが丁寧に接すればするほど、ChatGPTも丁寧に返そうとするため、余計なトークンを生成し、それがコストに繋がるのです。
もうひとつの視点として、API 経由で ChatGPT を使っている開発者やエンジニアの場合、「使った分だけお金がかかる」従量課金モデルになっているため、無駄なトークンはそのまま無駄な出費になります。
たとえば GPT-o3 を使っている場合:
というように課金されます。
不要な言葉が増えるほど、コストも無駄に増えてしまいます。
これは使い方次第です。最初に述べたように、普通のユーザーはそこまで気にする必要はありません。トークン上限に達しやすい人でない限り、心配しすぎる必要はないでしょう。
コスト面を抜きにすれば、ChatGPT とのやり取りに感情が乗るという意味では、丁寧な言葉がプラスに働くこともあります。
たとえば、以下のように話しかけ方によって、返ってくる反応が少し違うことがあります。
ChatGPT に「お願いします」「ありがとう」と言うのは間違っていませんし、非効率とも限りません。
大事なのは、それが「なぜ必要なのか」を理解して使っているかどうかです。
使用シーン | おすすめの入力スタイル |
---|---|
コンテンツの大量生成、プログラミング、ビジネス用途 | 無駄を省いた簡潔なプロンプト |
日常会話、語学学習、癒しや相棒的な使い方 | 丁寧で自然な口調のままで OK |
教育・デモ用(動画撮影や説明) | 丁寧さを保ち、AI の親しみやすさを演出 |
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