
最近 AI 界で大きな話題を呼んでいる「Nano Banana(ナノバナナ)」は、Google の最新 AI 画像生成モデルの愛称であり、実は正式なネーミング会議もなく、マーケティング戦略の結果でもない。
Google の公式発表によると、この名前はエンジニアが深夜にテストモデルをアップロードする際、即興で入力したニックネームにすぎなかったという。しかし、その何気ない名前が世界中で大ブレイクしてしまったのだ。
「Nano Banana」は本当に“適当に付けた名前”だった
AI 画像生成分野で急速に注目を集めている Google のモデル「Gemini 2.5 Flash Image」。その性能もさることながら、ネット上で話題をさらっているのは、なんといってもその可愛らしい愛称「Nano Banana(ナノバナナ)」だ。
お菓子のようでもあり、玩具のようでもあるこの名前は、実はまったくの偶然から生まれた。
▼Nano Banana が生成したフィギュア画像。表情の再現度が高い。

Google のプロダクトマネージャーである David Sharon 氏が公式 Podcast「Made by Google」で明かしたところによると、この名前はある女性 PM が深夜にテスト中、LM Arena というプラットフォームに匿名でアップロードする際に、思いつきで「Nano Banana」と入力したものだったという。
ところがこの愛称の方が先に人気となり、ネット上で口コミ的に広まり、ユーザーがそのままモデル名として使い始めた。最終的に Google も流れに乗り、「Nano Banana」を正式にブランドの一部として採用したのだ。
Nano Banana:リアルな顔表現で注目の AI 画像生成モデルに
ネーミングの話題性に加え、Sharon 氏は今回の技術的な大きな進歩として、人間の顔のディテールをよりリアルに再現できるようになった点を挙げている。これにより、従来のような曖昧で人工的な顔ではなく、「本当に本人のように見える」キャラクター生成が可能となった。この改良によって、ユーザーの満足度は大幅に向上している。
▼Nano Banana が生成した都市建築のイメージ。

さらに関係者によれば、Google はすでに「Nano Banana 2」と「Gemini 3」の開発を進めており、画像品質をさらに向上させた新モデルを 2025 年 12 月に発表する予定だという。
偶然のネーミングは Google だけじゃない:他社の由来も面白い!
実はこのように「仮の名前が定着した」ケースは、テック業界では珍しくない。以下はいくつかの有名ブランド名の意外な由来である。
- Google:創業者は「Googol(10の100乗)」という単語を使いたかったが、ドメイン登録時にスペルミスして「Google」となり、そのまま採用。
- Apple:スティーブ・ジョブズがリンゴ好きだったことと、当時の競合「Atari」より電話帳で上に来るために命名。
- Sony:ラテン語の「sonus(音)」と英語の「sonny boy」を組み合わせ、若さと創造性を表現。
- Adobe:創業者の自宅裏を流れる小川「Adobe Creek」から命名。特別な意味はなし。
- Samsung:「三星」は韓国語で「偉大・繁栄・永遠」を象徴。
- Intel:「Integrated Electronics」の略。もともとは「Moore & Noyce Electronics」だったが、「more noise(騒音)」と聞こえるため、Noyce氏の娘の提案で「Intel」に変更。
これらの例からも分かるように、ブランド名の由来は必ずしも厳密で計画的なものではなく、偶然や思いつきから生まれることも多い。しかし、製品が優れていれば、どんな名前でも意味を持つようになるのだ。
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