iPhone Air の販売が予想を下回り、生産量は“ほぼ生産停止”レベルに削減

日経アジアおよび著名な Apple アナリスト郭明錤(ミンチー・クオ)氏の最新報道によると、Apple は iPhone Air の生産計画を大幅に下方修正し、早ければ今から 2026 年第一四半期にかけて、サプライチェーン全体で 80% 以上の生産能力を削減し、一部の部品生産を前倒しで終了するという。

全体的に販売不振、iPhone Air はほとんど需要なし

超薄型設計を特徴とし、Pro シリーズよりもやや低価格に位置付けられたこの「実験的製品」は、新たな市場への足がかりになることを期待されていた。当初、中国市場で一時的に人気が出たものの、全体の売上は急速に冷え込み、中国以外の主要市場でも需要は予想を大きく下回った。

一部の投資機関の調査では、「現時点で iPhone Air を購入したいという消費者はほとんどおらず、折りたたみ式スマートフォンのような製品に追加料金を払いたいとも思っていない」と指摘している。

▼ 日本では iPhone Air  の在庫が潤沢で、需要の低さを示している

Apple は再び iPhone 17 シリーズに注力、Pro と Pro Max の需要は堅調

一方で、iPhone 17 シリーズは爆発的なヒットとは言えないが、安定した販売傾向を見せており、特に高価格帯の Pro および Pro Max モデルの需要は安定している。サプライチェーンの情報によると、Apple は iPhone Air の一部の生産能力を iPhone 17 シリーズに振り替え、約 200 万台の生産増加を予定しているという。

注目すべきは、Apple が近年 AI 機能を強調しているにもかかわらず、現時点では AI が消費者の購入動機に直結していないことだ。つまり、製品のデザインや機能の取捨選択が、iPhone の売上において引き続き重要な要素であることを意味している。

Apple だけでなく、Samsung も同様の製品開発を中止

iPhone Air の失敗は Apple だけの問題ではない。報道によると、Samsung も Galaxy S25 Edge の市場反応が鈍かったため、後継機の開発計画を中止したという。これにより、「超薄型スマホ」や「特徴的な機種」は依然としてニッチな存在であり、主流市場に広く浸透させるのは難しいことが明らかになった。

iPhone Air、短命に終わる運命?主流消費者は「超薄型デザイン」に反応せず

実際、iPhone Air は Apple が主力モデル以外で新たな市場を模索した初めての試みではない。過去にも iPhone mini や iPhone Plus といった製品がラインアップの穴を埋め、新たな顧客層を狙って登場したが、いずれも販売不振のために生産終了となっている。

今回の iPhone Air は厚さ 5.6mm という超薄型デザインを採用し、軽量化のためにいくつかの機能を犠牲にしたが、結果的に市場の冷たい反応を受けた。これらの動向から、標準の iPhone および Pro シリーズが依然として Apple にとって最も堅実なラインアップであり、「第4の機種」の市場は依然として模索段階にあることがうかがえる。

iPhone Air はその薄型デザインで一時的に注目を集めたものの、差別化に欠け、価格設定や機能のバランスも市場の期待に沿わなかったため、結果的に Apple のもう一つの短命な製品となった。iPhone mini から Plus、そして Air へと、Apple は「第4のポジション」を模索し続けているが、市場は一貫して「消費者が求めているのは、完成度の高い機能、長いバッテリー寿命、安定性であり、実験的なスペック革新ではない」とのメッセージを発し続けている。

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