先週、中国のネットユーザーが「iPhone Air 2」に関する情報をリークし、Appleが引き続き“極薄スマートフォン”の開発を進めているのではないかと注目を集めました。
しかし、状況は急変しました。米メディア《The Information》の最新報道によりますと、販売実績が予想を大きく下回ったことを受けて、Appleは「iPhone Air 2」を製品ロードマップから削除し、発売計画を無期限に延期する決定を下したそうです。
「iPhone Air」はこれまでにない薄型軽量デザインを実現しましたが、ハードウェア性能の不足や中途半端な価格設定が原因で、市場で大きな支持を得ることはできませんでした。
多くの関係者は、「iPhone Air」は「mini」シリーズや「Plus」シリーズに続く実験的なモデルだと見ています。
実際のところ、低価格を重視するユーザーは「iPhone 17」を選び、機能性を重視するユーザーは「iPhone 17 Pro」を選ぶ傾向にあります。そのため、軽さだけを理由に購入するユーザーはごく少数にとどまっているのが現状です。
その影響で、「富士康(フォックスコン)」はすでにiPhone Airの生産ラインを縮小し、今月末までに全面的に停止する予定です。もう一つの製造パートナーである「立訊(ルクスシェア)」も10月末には生産を終了したと報じられています。
当初、「iPhone Air 2」は2025年9月に「iPhone 18 Pro」や「iPhone Fold(仮称)」と同時に発表される予定でした。流出した開発資料によりますと、アップグレード内容も多岐にわたり、主なポイントは以下の通りです。
しかし、販売不振が続いていることから、《The Information》によりますと、Appleはすでに「iPhone Air 2」を製品スケジュールから削除し、発売を無期限延期する方針を固めたそうです。
また、《9to5Mac》などのメディアも、Appleが社内開発チームやサプライヤーに対して、次世代iPhone Airの開発を一時停止することを通知したと報じています。
とはいえ、「iPhone Air」ファンの皆さんにとって、完全な悲報というわけではありません。今回の措置は「中止」ではなく「一時停止」に過ぎません。つまり、主要な開発作業を一時的に止めつつも、基本設計チームやサプライチェーンとの連携は維持しており、市場環境が変化した際にはすぐに開発を再開できる体制を残しているのです。
このような“開発凍結”の対応はApple社内でも珍しく、通常であれば開発中止が決定した段階で人員やリソースを完全に解放します。
しかし、今回の場合は一部のエンジニアが現在も「iPhone Air 2」の設計やテスト作業を継続しているとのことで、Appleがこのシリーズを依然として重視していることが分かります。
今後の検討課題としては、次のような点が挙げられます。
今回の「iPhone Air 2」開発一時停止は、戦略的なリセットとも言える決断です。Appleはあえてペースを落とし、製品コンセプトや市場ポジションを改めて見直す時間を確保しているのです。これは「終わり」ではなく、「次のステップに向けた準備段階」だと言えるでしょう。
一部の噂によりますと、もしAppleが「iPhone Air 2」の開発を順調に再開できれば、2027 年春に「iPhone 18」や「iPhone 18e」と共に発表される可能性もあるそうです。
もっと読む
iPhone Air の販売が予想を下回り、生産量は“ほぼ生産停止”レベルに削減
iPhone Air 用 MagSafe バッテリー、中身は同じでも電力は 65% まで
iPhone Air 実機テストで驚異の耐久性!画面の耐傷性能が大幅向上、曲げにも強い